【 Special Report 】ヴェネチア映画祭マカロニ特集の全貌

第64回ヴェネチア国際映画祭においてサブ企画として、8月29日から9月8日までマカロニ・ウエスタンの特集上映「Western all’italiana」が開催された。

上映されたのは31本。当初、キュレーター役を務めるはずだったクエンティン・タランティーノはマニラ映画祭でオイタが過ぎたために腰痛を発症し、欠席。推薦していたクラウス・キンスキー主演、アントニオ・マルゲリティ監督の『そして神はカインに語った<未>』(1969)は上映不能となり、かわりに工藤栄一監督、若山富三郎主演の『五人の賞金稼ぎ』(69)が上映された。これは若山富三郎主演による東映「賞金稼ぎ」シリーズ一作で、オールバックに口ひげの医者がウエスタンさながらの銃を撃ちまくる時代劇。果たして、この作品が「Western all’italiana」(イタリア製西部劇)と呼べるのかどうか……は、ともかく、映画祭の喧騒とは離れた町場の上映会場はイタリアはもとよりヨーロッパ各地から集まったマカロニファンの熱気で盛り上がった。
 
Tarantino e gli Spaghetti Western
(<腰痛>タランティーノ監督のメッセージ)
 

 
本邦未公開作は、ティント・ブラス監督の唯一のマカロニ『ヤンキー<未>』、ロバート・ハンダー主演『テキサスの七人<未>』、ロバートウッズ主演『賞金無用、首はもらった<未>』、ヴァン・ヘフリン、クラウス・キンスキー主演の『サム・クーパーの黄金<未>』、ルー・カステル主演『マタロー<未>』の5本。ちなみに、上映は一部はフィルム、大部分はDVD用にリマスターされたビデオ上映だった模様。
 
同時に映画祭ではマカロニ・ティーチインも行われ、多くのマカロニ人が参加した。参加メンバーは、ジュリアーノ・ジェンマ、フランコ・ネロ、ファビオ・テスティ、トニーノ・ヴァレリィ、ジュリオ・クエスティ、エンツォ・G・カステラッリ、カルロ・リッツァーニ、ティント・ブラス、ルイス・エンリケス・バカロフ、パスクァレ・スクイティエリ、セルジオ・ドナティ、アレッサンドロ・アレッサンドローニなど。また、映画祭では、エンニオ・モリコーネ・オーケストラ、アレッサンドロ・アレッサンドローニによるコンサートも開かれた。
 
マカロニ特集の小冊子
 
マカロニ特集の小冊子。上映全作品の解説つき、全52ページ。
 
Western all’italiana 上映作品一覧

『テキサスの七人<未>』I sette del Texas (Antes llega la muerte) (1964) Joaquin Luis Romero Marchent
『荒野の10万ドル』 100.000 dollari per Ringo (1965) Alberto De Martino
『続・荒野の1ドル銀貨』 Il ritorno di Ringo (1965) Duccio Tessari
『ネブラスカの一匹狼』 Ringo del Nebraska (1965) Mario Bava e Antonio Roman
『荒野の1ドル銀貨』 Un dollaro bucato (1965) Giorgio Ferroni
『続 荒野の用心棒』 Django (1965) Sergio Corbucci
『ガンクレイジー』 The Bounty Killer (1966) Eugenio Martin
『復讐のガンマン』 La resa dei conti (1966) Sergio Sollima
『さすらいのガンマン』 Navajo Joe (1966) Sergio Corbucci
『必殺の用心棒』 Sugar Colt (1966) Franco Giraldi
『帰って来たガンマン』 Un fiume di dollari (1966) Carlo Lizzani
『ヤンキー<未>』 Yankee (1966) Tinto Brass
『二匹の流れ星』 10 000 dollari per un massacro (1967) Romolo Guerrieri
『さすらいのデスペラード』 El Desperado (1967) Franco Rossetti
『拳銃無宿のバラード』 Il tempo degli avvoltoi (1967) Nando Cicero
『オーウェルロックの血戦』 La morte non conta i dollari (1967) Riccardo Freda
『情無用のジャンゴ』 Se sei vivo spara (1967) Giulio Questi
『サム・クーパーの黄金<未>』Ognuno per e(1967) Giorgio Capitani 
『皆殺しのジャンゴ/復讐の機関砲』 Preparati la bara (1967) Ferdinando Baldi
『復讐無頼・狼たちの荒野』 Tepepa (1968) Giulio Petroni
『十字架の長い列』 Una lunga fila di croci (1968) Sergio Garrone
『賞金無用、首はもらった<未>』La taglia e tua l’uomo l’ammazzo io (1969) Edoardo Mulargia
『風来坊/花と夕日とライフルと…』 Lo chiamavano Trinita(1970) Enzo Barboni
『マタロー<未>』 Matalo! (1970) Cesare Canevari
『ガンマン大連合』 Vamos a matar companeros (1970) Sergio Corbucci
『ガンマン無頼/地獄人別帖』 La vendetta e un piatto che si serve freddo (1971) Pasquale Squitieri
『怒りのガンマン/銀山の大虐殺』 Il grande duello (1972) Giancarlo Santi
『荒野のドラゴン』 Il mio nome e Shangai Joe (1973) Mario Caiano
『要塞攻防戦/ダーティ・セブン』 Una ragione per vivere e una per morire (1973) Tonino Valerii
『荒野の処刑』 I quattro dell’apocalisse (1975) Lucio Fulci
『ケオマ・ザ・リベンジャー』 Keoma (1976) Enzo G. Castellari