マカロニウエスタン・ミュージック

 マカロニに関係があるといえばあるけれど、ないと言ってしまえばそれだけのような話。
 マカロニ・ウエスタンは音楽とは切ってもも切り離せない。巨匠エンニオ・モリコーネの名前を挙げるまでもなく、マカロニ・ウエスタンのイメージ作りに映画音楽は非常に大きく貢献しているからだ。しかし、映画音楽の話は、マニアの間で語り尽くされていると思うので、ここではマカロニのイメージを投影した、映画音楽以外の音楽を紹介していこう。
 
 最初に紹介するのは、「スパゲティ・ウエスタン・ストリングス・コーポレーション」”The Spaghetti Western String Co. “ま、まさにそのものズバリの名前ですが、とくにマカロニ・ウエスタン・ミュージックを演奏するというわけでなく、ミネアポリスで結成しされた、現代音楽トリオである。中心人物がイタリア系だということのようだ、チェロのイーサン・サットン、バンジョー&ギターのマイケル・ロセット、マンドリン、ギター、ボーカルのニコラス・レンからなるグループで、クラシック/現代音楽をベースにジャズ、ウエスタン、フォークミュージックまで、広い要素を採り入れたステージを行っている。演劇やパフォーマンス・アートとコラボレーションすることも多いようだ。
 音楽は、古い映画音楽のようでもあり、心地よいクラシックのようでもあり、ウエスタン・カントリー的雰囲気も随所に見受けられる。全体としては、マカロニというイメージよりは、ややインテリ風の音楽ではあるけれど……。
 公式サイト
 
 バイオリンのソロを加えた、ミシシッピでの公演。


  
 次に紹介するプレファブ・スプラウトは、ブリティッシュロック好きにはかなり名の通ったバンドである。80年、90年代を通して、イギリスで最も愛されたバンドとも言われているオシャレ系バンドの彼等は一見マカロニとは縁遠いと思われるが、意外にもかなりウエスタン好きらしい。
 2001年に発売された(現在のところの)最新アルバム”The Gunman and Other Stories”では、突然「ウエスタン」をテーマに取り上げて、ファンをあっと驚かせた。
 しかし、ウエスタンと言っても、その音楽的感性はアメリカ人のウエスタン感とはどーも違う!耽美ロック界の巨匠・トニー・ヴィスコンティ(ブルックリン生まれのイタリア系)をプロデューサーに迎えたアルバムは、必然的にマカロニ要素”哀愁”を多く含んだものになっている。
 
 Prefab Sprout – Cowboy Dreams プロモーションビデオ