復讐のガンマン

レオーネ、コルブッチ作品と並び、マカロニベスト10を選べば必ず上位に入賞してくる名作。監督セルジオ・ソリーマ、主演リー・ヴァン&トーマス・ミリアン。いかにも男汁たっぷりの3人が、モリコーネ御大の名曲に乗ってクライマックスの“決闘三連発”まで一気に駆け抜ける。マカロニウエスタンを語るなら三度の飯を抜いてでも絶対に見なければならない一本。

が、実を言えば、本作の主人公はナイフが得意なメキシコ人のコソ泥クチーヨを演じたミリアンのほう。実際問題、リー・ヴァン抜きで続編『続・復讐のガンマン〜走れ、男、走れ〜』に主演。この後、『ガンマン大連合』など次から次へとメキシカンなヒーローを演じた。本当に豚のクソまみれになって糞(ルビ)戦、ロープで首をくくられ馬に引かれて荒野を歩かされるシーンでは脚を怪我して血だらけになっていたというミリアンの熱演はすごい。もちろん、リー・ヴァン親父の“つばめ返しの逆さ撃ち”も見逃せない。

一般発売されたDVDは英語版。これは、イタリア語原版が発売予定日に間に合わなかったためで、購入者特典として配布された非売品DVDに収録された。